HSS型HSEが仕事で消耗する理由と、自分に合った働き方の見つけ方【当事者の視点】

仕事がうまくいかないとき、私はいつも、まず自分を疑っていました。

能力が足りないのか。
要領が悪いのか。
気にしすぎなのか。
社会人として未熟なのか。

しんどくなるたびに、原因を自分の中だけに探して、責め続けていました。

でも「HSS型HSE」という気質を知って、ようやく問いが変わりました。
本当に、問題は自分だけだったのだろうか、と。

(HSS型HSEそのものについては、こちらの記事に書きました。)

この記事では、HSS型HSEが仕事で消耗しやすい理由を私の経験から構造として整理したうえで、「自分に合った働き方」をどう見つけていったかを書いていきます。

HSS型HSEが仕事で消耗しやすい理由

最初に誤解されやすいのですが、HSS型HSEは刺激が嫌いなわけではありません。
むしろ、新しいことや変化にはワクワクするタイプです。

違うのは、刺激の「受け取り方」です。

私の場合、刺激をそのまま流せず、深く処理してしまう。
人の感情や場の空気を、無意識に拾ってしまう。
曖昧なまま放置できず、抱え込んでしまう。

だから、次のような職場で一気に消耗しました。

  • 変化やトラブルが絶えない
  • 方針や優先順位が頻繁に変わる
  • 役割や評価軸が曖昧
  • 空気を読むコストが高い
  • 責任感を強く刺激される
  • 気を抜ける時間がほとんどない

ひとことでまとめると、刺激・緊張・曖昧さが同時に存在する環境です。

やっかいなのは、こういう環境に最初は適応できてしまうこと。
刺激を「面白い」と感じ、期待や責任も引き受けてしまうので、まわりからは「柔軟」「頼れる」と見られます。

でも、その裏側で神経の緊張は静かに積み上がっていきます。
外から見ると仕事は回っているので、しんどさを言葉にしにくく、自分でも異変に気づけません。

決定的だったのは、家に帰ってからでした。
「あの人はどう感じただろう」「もっといい言い方があったはず」。
一人反省会が止まらず、眠るまで頭の中をぐるぐるし続けるのです。

なぜ”ど真ん中のレール”がしんどかったのか

振り返ると、私は新卒のとき、会社を「規模」と「初任給の高さ」で選んでいました。
自分の特性や向き不向きという視点は、すっぽり抜け落ちていたのです。

出世して、年収を上げて、大きな仕事を任されていく。
そういう「正解ルート」がなぜ苦しかったのか、十年以上働いて、ようやく言葉にできました。

おそらく、資本主義社会の構造とHSS型HSEの性質は、相性があまり良くないのだと思います。

会社は基本的に、利益を最大化するために動きます。
そこで求められるのは、効率・スピード・短期的な成果。
どれも大切なものですが、突き詰めるほど、人の感情や事情は後回しにされがちです。

その板挟みを一番引き受けるのが、中間管理職です。
上からは数字を求められ、下からは感情や事情をぶつけられる。

ここにHSS型HSEが立つと、何が起きるか。

私たちは、誰かが納得していない空気や、無理をしている気配を、論理より先に身体で受け取ってしまいます。
だから「効率のために割り切る側」に回されると、頭では仕方ないと分かっていても、心がついていきません。

そのズレが、じわじわと消耗に変わっていきました。

これは、能力が足りないという話ではないと、今は思っています。
自分が弱いからうまくいかないのではなく、戦っているフィールドが合っていなかった
そう捉え直せたことが、私には大きな転機でした。

「向いてる仕事」を探す前に、私が変えた問い

「HSS型HSE 向いてる仕事」で検索すると、職種のリストがたくさん出てきます。
それも参考にはなりますが、私にはあまりしっくりきませんでした。

そこで、問いそのものを変えてみました。

「理想の職場を探す」のではなく、「自分が削られにくい条件を整理する」。

私にとって、削られにくい条件はこういうものでした。

  • 刺激がゼロではないが、常時フルではない
  • 刺激の量やタイミングを、自分で選べる
  • 役割や評価軸が、比較的はっきりしている
  • 一人で深く考える時間が確保できる
  • 感情を相手にする量を、コントロールできる

まとめると、刺激がありつつも、深く考える余白と、調整できる余地がある環境です。

ここで誤解されたくないのは、刺激がない方がいい、という話ではないこと。
私は変化や新しさが好きですし、それがないと逆に物足りなくなります。

大事なのは、刺激そのものを消すことではなく、刺激との距離を自分で調整できるかどうか
そこが、私にとっての分かれ目でした。

私に合っていた働き方の方向性

条件で整理すると、向いていそうな方向も見えてきました。

たとえば、企画や設計のように構想する仕事。
文章やデザインなどのクリエイティブ。
研究や分析。
カウンセリングのような一対一の支援。
裁量の大きい専門職やフリーランス。

こうした働き方なら、HSSの「可能性を広げる力」と、HSEの「深く考える力」を、消耗ではなく価値として使いやすい気がしています。

とはいえ、いきなり全部を変えるのは現実的ではありません。
私自身は、まず本業を”安全基地”として残しました。

生活の土台はしっかり確保したうえで、面白いと思えることは別の場所でやる。
そう切り分けてから、ずいぶん呼吸がしやすくなりました。

念のため書いておくと、向いている・向いていないは、優劣ではありません。
合わない環境で消耗したのは、あなたの能力が低いからではない。
環境を変えることも、逃げではなく、自分の性質に合わせた調整だと、私は考えています。

もし「いっそ仕事を変えようか」と迷い始めているなら、私が転職を考え始めたときの話も別の記事に書きました。
職場の人間関係そのものに疲れている場合は、こちらの記事も読んでみてください。

仕事のしんどさを、自分のせいにしてきた人へ

かつての私のように、仕事のしんどさをぜんぶ自分のせいにして、責め続けている人は少なくないと思います。

でも、それは性格の弱さではなく、性質と環境の相性の問題かもしれません。
問いを「自分をどう変えるか」から「どんな条件なら削られにくいか」に変えるだけで、見える景色が少し変わることがあります。

※この記事は私自身の経験と考えをまとめたもので、医学的な診断や治療を目的とするものではありません。心身の不調が続く場合は、医療機関などの専門家にご相談ください。

「自分の働き方を、一度ちゃんと整理してみたい」。
そんなときに、頭の中のぐるぐるを一緒にほどくお手伝いをしています。

同じHSS型HSEとして、似た消耗をくぐってきた立場から、あなたの状況を聴かせてもらえたらと思います。

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