休職中の傷病手当金、実際どうだった?申請の流れと8ヶ月もらってわかったこと【体験談】

休職を決めた瞬間、最初に頭をよぎったのはお金のことでした。

職場への申し訳なさ。キャリアへの不安。子供が2人いる中で、家族を養っていけるのだろうか、という恐怖。

それでも、このまま今の環境に居続ける方が余計に取り返しのつかない状態になると感じていました。
最悪でも生活保護で生き延びられる。そう自分に言い聞かせながら、息を止めて決断しました。

そのとき、頭の片隅にあったのが「傷病手当金」という制度でした。

この記事では、実際に8ヶ月間傷病手当金を受け取った私の体験をもとに、申請の流れともらってみてわかったことを書きます。

制度の解説だけなら他のサイトにいくらでもあります。
ここでは、当事者としてのリアルを残しておきたいと思います。

※傷病手当金は健康保険組合によって条件や手続きが異なる場合があります。正確な情報はご自身が加入している健康保険組合や協会けんぽに確認することをおすすめします。

傷病手当金とは何か、シンプルに整理する

そのとき頭にあった傷病手当金という制度を、まず整理しておきます。

傷病手当金とは、病気やケガで働けなくなったときに、健康保険から支給される手当のことです。

ポイントは3つだけ覚えておけば大丈夫です。

  • もらえる金額:直近12ヶ月の給与平均のおよそ3分の2(正確には標準報酬月額÷30×3分の2)
  • もらえる期間:同一の病気・ケガについて支給開始から最長1年6ヶ月
  • 対象者:会社員など健康保険に加入している人(国民健康保険は原則対象外)

自営業や国民健康保険加入者は対象外になるケースがほとんどなので、まず自分が健康保険に加入しているかを確認しておくといいと思います。

受給できる条件は4つだけ

難しく見えますが、整理すると4つです。

①業務外の病気・ケガであること
仕事が原因の場合は労災保険の対象になります。
メンタル不調による休職は、ほとんどのケースでこの条件を満たします。

②医師が「働けない状態」と判断していること
主治医に申請書へ記入してもらうことで証明します。

③連続3日間休んだ後、4日目以降も休んでいること
最初の3日間は「待期期間」として支給対象外になります。
有給休暇や土日もカウントされます。

④休んだ期間に給与が支払われていないこと
有給休暇を使って給与が出ている日は支給対象外になります。
ただし待期期間の3日間に有給を使うのはOKで、これで収入の空白を防ぐことができます。

申請の流れ、実際はこうだった

申請を前にして、最初に困ったのは「誰に何を聞けばいいのかわからない」という点でした。

休職自体が初めての経験で、どこから手をつければいいのか全くわかりませんでした。

結論から言うと、健康保険組合に電話して聞けば全部教えてもらえます。

「傷病手当金を申請したいのですが、何から始めればいいですか?」と聞くだけで大丈夫です。
申請書の入手方法から提出先まで、丁寧に教えてもらえました。
主治医も申請書の扱いには慣れていたので、記入をお願いするときに戸惑いはありませんでした。

申請の5ステップ

STEP1:健康保険組合から申請書を入手する
協会けんぽであればホームページからダウンロードできます。
健康保険組合に加入している場合は組合に問い合わせるといいと思います。
「用紙はどこで手に入りますか」と電話で聞いたら、すぐ教えてもらえました。

STEP2:申請書の「被保険者記入用」を自分で記入する
傷病名、休んだ期間、振込先口座などを記入します。
記入欄はそれほど複雑ではありませんでした。

STEP3:主治医に「療養担当者記入用」を記入してもらう
病院に申請書を持参して、主治医に記入をお願いします。
費用は診察料+300円程度。2週間ほどかかることもあるので早めに依頼しておくといいと思います。
主治医はこの手続きに慣れていて、「持ってきてくれれば書きますよ」と言ってもらえました。

STEP4:会社に「事業主記入用」を記入してもらう
休職期間中に給与が支払われていないことを証明してもらう書類です。
総務や人事に依頼する形になります。会社側も手続きに慣れていたので、特に問題はありませんでした。

STEP5:健康保険組合に提出する
書類が揃ったら提出します。
会社経由で提出するケースが多いです。書類を渡して、あとは待つだけでした。

一番不安だったのは「本当に振り込まれるのか」だった

申請の手続きよりも、精神的にきつかったのは「本当に振り込まれるのか」という不安でした。

収入が完全に途絶えている状態で、申請から振り込みまでに約2ヶ月かかりました。

その間ずっと、計算上はもらえるはずだけど、本当に来るのか、という不安が頭の片隅にありました。

実際に振り込まれたとき、「あ、ちゃんと来た。良かった」という、それだけの感覚でした。

でもその安堵感は、思った以上に大きかったです。

実際もらってみてわかったこと

思っていたより金額が多かった

「月給の3分の2」と聞いたとき、正直少ないと思っていました。

でも考えてみれば、普通の給与は税金や社会保険料が引かれて手取りは7〜8割になります。
傷病手当金はそこからさらに引かれる額が少ないので、体感としては思ったより多い金額が手元に残ります。

年金の支払いには注意が必要

ただし、休職中・退職後も年金の支払いは発生します。

退職後は国民年金への切り替えが必要になるので、この点は把握しておくといいと思います。
想定外の出費になりやすいので、事前に確認しておくことをおすすめします。

お金の不安が和らいで、初めて自分と向き合えた

傷病手当金がしっかり支給され、貯蓄もゼロではなかったので「転職するまでの生活はできる」という感覚を持てました。

それがわかってから、ようやく自分の心身を癒すことと、次の環境を選ぶことに集中できるようになりました。

お金の不安を抱えたまま回復しようとするのは、思った以上に難しいです。
だから傷病手当金という制度があることの意味は、想像以上に大きかったと感じています。

知っておくべき注意点

申請してから振り込まれるまで時間がかかる

私の場合、最初の振り込みまで約2ヶ月かかりました。

収入が完全に途絶えた状態でこの期間を乗り越えるために、ある程度の貯蓄があると安心です。

休職を検討しているなら、申請のタイミングも含めて早めに動いておくといいと思います。

待期期間の3日間は支給されない

最初の連続3日間は待期期間として支給対象外になります。

有給休暇でこの3日間を埋めると、収入の空白を最小限にできます。

退職後も継続して受け取れる場合がある

私のように退職後も受け取り続けることができるケースがあります。

ただし条件があるので、退職を考えている場合は事前に健康保険組合に確認しておくといいと思います。

同じ状況の人へ

休職を迷っているとき、お金の不安は本当に大きいです。

でも、ちゃんと申請すれば傷病手当金は支給されます。
必要以上に不安になることはありません。注意しておくことは年金の支払いくらいです。

そこを心配するエネルギーがあるなら、自分の心身を健全に保つことに使ってほしい——そう思います。

休職という選択は、逃げではありません。
自分を守るための、合理的な判断です。

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