メンタル不調を理由に退職した経験があると、転職の面接で「退職理由」を聞かれるのが一番こわい、という方は多いと思います。私もそうでした。
結論から言うと、私はメンタル不調による休職・退職を隠さず、正直に伝えることを選びました。そして、ただ正直に話すだけでなく、「事実」「自分なりの整理」「今は回復していること」の順で組み立てて伝えるようにしました。その結果、面接で評価を下げられるというより、むしろ自分に合う会社を選びやすくなったと感じています。
この記事では、メンタル不調・休職を経て転職した私が、面接で退職理由をどう伝えたのかを、実際の言い回しまで含めて整理します。
※この記事は私個人の体験と考えに基づくものです。心身の不調が続く場合は医療機関や専門家にご相談ください。また、休職・退職に関わる制度や就業規則の扱いは会社によって異なります。正確な内容はお勤め先や公的機関でご確認ください。
面接で「退職理由」を聞かれるのが、一番こわかった
転職活動を始めたとき、私が一番身構えていたのが「前職を辞めた理由は何ですか」という質問でした。
私の退職理由は、はっきり言えばメンタル不調です。適応障害で休職し、復職せずそのまま退職しました。これを正直に話したら、面接官に「またすぐ崩れるんじゃないか」と思われて落とされるのではないか。そう考えると、面接の前夜はいつも気が重くなりました。
同じように感じている方は少なくないと思います。「メンタルが理由の退職は、面接でどう答えればいいのか」「正直に言うべきか、ぼかすべきか」。私もずっとその迷いの中にいました。
私は、メンタル不調を理由にしたことを隠さなかった
結論として、私は隠さない方を選びました。いくつか理由があります。
ひとつは、嘘やごまかしを土台にして入社しても、結局は自分が苦しくなると思ったからです。本当の理由を伏せて「キャリアアップのため」とだけ答えて入社できたとしても、また同じような環境だったら、同じように消耗してしまう。それでは意味がありません。
もうひとつは、伝え方しだいで、メンタル不調の経験はマイナスだけでは終わらないと考えたからです。自分の限界に気づき、立ち止まり、回復してきた。その過程は、見方を変えれば「自分の状態を把握して対処できる人」という材料にもなります。
もちろん、これは「全員が正直に言った方がいい」という話ではありません。休職した事実を必ず申告しなければならない決まりがあるわけではなく、伝えるかどうかは状況によります。ただ私の場合は、正直に話した方が、自分にとって納得のいく転職になると感じました。
実際に面接でどう伝えたか
では、具体的にどう答えたのか。私が意識したのは、次の順番で話すことでした。
- ① 事実:いつ、どんな状態で休職・退職したか
- ② 整理:なぜそうなったと自分では考えているか
- ③ 現在:今はどう回復し、どんな環境を求めているか
たとえば、私は次のような流れで伝えていました。
「前職では適応障害で半年ほど休職し、復職せず退職しました。当時は業務量や環境の変化が重なり、自分のペースを保てなくなっていたと考えています。休職中に時間をかけて回復し、今は体調も安定しています。同じことを繰り返さないために、自分に合う働き方を見極めたうえで応募しています」
長々と説明するのではなく、事実を短く認めて、すぐに「今」と「これから」に話を向ける。この組み立てにしてから、自分でも落ち着いて話せるようになりました。
伝えるときに気をつけた3つのこと
同じ内容でも、伝え方しだいで受け取られ方は変わります。私が気をつけていたのは、次の3つでした。
① 過小申告も、誇張もしない
不調を軽く見せようとして「ちょっと疲れていただけで」と話すと、かえって深刻さが伝わらず、回復したことの説得力も弱まります。逆に必要以上に深刻に語ると、不安を持たれます。私は、起きた事実を淡々と、そのまま伝えるようにしました。
② 「自分の弱さ」ではなく「環境との相性」で語る
メンタル不調を「自分が弱かったからです」とだけ説明すると、面接官は「またその弱さで崩れるのでは」と受け取りやすくなります。私は、自分を責める言い方ではなく、「どういう環境で消耗しやすいかが分かった」という整理の言い方を選びました。これは自己弁護のためではなく、実際に休職を経て、問題は自分の中だけでなく環境との相性にもあったと考えるようになったからです。
③ 再発防止を、具体的に添える
面接官が一番気にしているのは、たいてい「入社後にまた同じことが起きないか」という点です。だからこそ、回復したことだけでなく、「どう対処できるようになったか」を具体的に添えるようにしました。早めに不調のサインに気づけるようになったこと、無理を抱え込まずに相談する習慣をつけたこと。そうした具体があると、相手の不安はやわらぎやすくなります。
面接官の反応と、結果どうだったか
正直に伝えた結果どうだったかというと、反応は会社によってはっきり分かれました。
ある会社では、メンタル不調の話をした瞬間に空気が変わったのが分かりました。そこは結局ご縁がありませんでした。一方で別の会社では、面接官が「話してくれてありがとうございます」と受け止めたうえで、「うちはこういう働き方ができますよ」と環境の話を返してくれました。
当時は落ちるたびに落ち込みましたが、今振り返ると、正直に話したことで「合わない会社が早めにふるい落とされた」という側面もあったと思っています。メンタル不調の経験を受け止められない会社に無理に入っていたら、また同じことになっていたかもしれません。
面接に落ちると、自分自身を否定されたように感じて、メンタルがさらに削られることがあります。でも、落ちたのは相性の問題であることも多いです。あなたという人間の価値が否定されたわけではない、と私は思っています。
職務経歴書にはどう書いたか
面接で口頭で伝える前に、書類の段階でどう扱うかも迷いどころです。
私は、職務経歴書に休職の事実を一行添える形にしました。隠して面接で初めて切り出すより、先に書いておいた方が、面接では落ち着いて補足の説明に入れたからです。書き方としては、休職した時期と、現在は回復していることを簡潔に記す程度にとどめました。細かい症状や経緯まで書く必要はないと考えました。
ここも正解がひとつあるわけではありません。ただ、書類と面接で話が食い違わないようにしておくことは、自分が落ち着いて臨むうえで役立ちました。
「隠してバレないか」より、私が大事にしたこと
メンタル不調の退職について調べると、「黙っていてもバレるのか」という不安をよく見かけます。私も気になっていました。
でも、途中から私は、その問いの立て方自体を少し変えました。「どうすればバレずに済むか」ではなく、「どうすれば自分に合う会社にたどり着けるか」へ。隠すことに神経を使うより、正直に伝えたうえで受け止めてくれる会社を選ぶ方が、入社後の自分が楽になると考えたからです。
このとき助けになったのが、事情を理解したうえで間に入ってくれる転職エージェントの存在でした。メンタル不調の経緯を一度きちんと伝えておけば、応募先にどう伝えるか、どんな環境の会社が合いそうかを一緒に整理してくれます。自分ひとりで「正直に言うべきか」を抱え込まずに済んだのは、私にとって大きかったです。たとえばユメキャリのように、相談ベースで丁寧に向き合ってくれるサービスを一度使ってみると、ひとりで考えるより前に進みやすくなると思います(※広告)。
最後に
メンタル不調を理由にした退職は、面接で必ず不利になるわけではないと、私は経験から感じています。大事なのは、隠すか言うかという二択そのものよりも、伝えると決めたときに、どう整理して言葉にするかだと思います。
事実を淡々と認める。自分の弱さではなく環境との相性として語る。そして、今は回復し、どう対処できるようになったかを具体的に添える。この組み立てができれば、退職理由は、あなたが自分を理解している証拠にもなり得ます。
もし今、面接でどう伝えるかで眠れない夜を過ごしているなら。その不安は、あなたが誠実だからこそ抱えているものだと思います。どうか、自分を責めすぎずに進んでいってください。
※本記事は私個人の体験に基づくものです。メンタルの状態や休職・退職に関わる判断は人それぞれ異なります。心身の不調が続く場合や、制度・手続きの正確な扱いについては、医療機関・公的機関・お勤め先にご確認ください。
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