職場の孤立には2種類ある|人に囲まれていても味方がいないと感じた私の話

職場の人間関係・メンタル

職場で孤立していると感じて検索すると、原因と対処法が並んだ記事がたくさん出てきます。

原因のところには、コミュニケーション不足、仕事に対する姿勢のズレ、協調性がない、ネガティブな発言が多い、といった項目が並びます。

私はそれを読んで、余計にしんどくなりました。

当時の私は、輪に入れないタイプの孤立ではありませんでした。同僚とは普通に話していましたし、ランチにも行っていました。それなのに、ずっと味方がいないと感じていました。

この記事では、そういう「孤立しているように見えない孤立」について、私の体験から書きます。アドバイスではなく、体験談です。

※この記事は私個人の体験と整理に基づくものです。メンタル不調の診断や治療については医療機関の判断が優先されます。また、職場での対応や労働条件の扱いは、勤務先の就業規則や個別の状況によって異なります。不安がある場合は、医療機関や公的な相談窓口にご相談ください。

職場で孤立していると感じるとき、その孤立には2種類ある

私はいま、職場の孤立には2つの種類があると思っています。

ひとつは、目に見える孤立です。話す相手がいない。輪に入れない。挨拶をしても返ってこない。周りから見ても、その人が孤立していると分かる状態です。

もうひとつは、目に見えない孤立です。話す相手はいる。雑談もする。仕事も回っている。周りから見れば、孤立しているようには見えません。それでも本人は、しんどさを分かってくれる人が一人もいないと感じている。

私は、後者でした。

この2つは、外からは同じ「孤立」という言葉でくくられます。でも、必要なものはかなり違うと思っています。

目に見える孤立には、関係を作るための方法が効くことがあります。目に見えない孤立には、それがあまり効きません。関係は、もうあるからです。

よく挙げられる「孤立する原因」を、私はうまく受け取れなかった

検索して出てくる記事には、孤立の原因がリストで並んでいます。

職場環境が原因になることも書かれてはいます。ただ項目数でいうと、本人の側に理由を置いたものが多い印象でした。

これは私の受け取り方の問題かもしれません。それでも当時の私は、そのリストを上から順に読みながら、自分に当てはまるものを探していました。

孤立していると感じている人は、たいてい自分を疑っています。自分の何が悪いんだろう、と何度も考えたあとで検索しています。

そこに原因のリストが並ぶと、答え合わせのようになってしまう。私はそこで少し、追い打ちをかけられた気持ちになりました。

だからこの記事では、原因を並べることはしません。

私の場合は「話す相手がいない」のではなく「話しても届かない」だった

職場の人に話したとき

職場に、話せる同僚はいました。

愚痴を聞いてくれる人もいましたし、「あの人はちょっとね」と共感してくれる人もいました。

話すと、その場では少し楽になります。

でも、次の日にはもう元に戻っていました。

理由は、いまなら分かります。その人も、同じ構造の中にいたからです。

共感はできても、力関係そのものは動かせない。上司の態度が変わるわけでも、明日の会議がなくなるわけでもない。

吐き出せても、状況は一ミリも変わっていない。それが分かってしまうと、話すこと自体がだんだん億劫になっていきました。

家族に話したとき

家に帰ってから、妻に話すこともありました。

ここでも、うまくいきませんでした。

職場のしんどさは、出来事だけを説明しても伝わらないからです。

誰が誰に対して、どういう立場で、どういうトーンで言ったのか。その場の空気がどうだったのか。しんどさの中身は、たいていそこにあります。

でもそれを説明しようとすると、前提の説明だけでかなり長くなります。

話しているうちに、相手が少し退屈しはじめるのが分かる。悪気があるわけではありません。ただ、その場にいなかった人には、どうしても届かない情報があります。

そうすると私は、途中で「まあ、大したことじゃないんだけど」と言って、話を畳んでしまう。

この畳んだ瞬間に、孤立が完成していたのだと思います。

力関係とニュアンスは、その場にいない人には伝わらない

少し、構造の話をします。

職場のしんどさの多くは、言葉そのものではなく、文脈の側にあります。

たとえば、普段は穏やかな上司が、報告や会議の場面になると急に切り替わることがあります。表情も、言葉遣いも、圧のかけ方も変わる。

これを人に説明しようとすると、「言い方がきつかった」くらいの話にしかなりません。実際に受けた圧の量は、その一言にはほとんど入っていない。

伝えようとすると情報が足りない。かといって全部説明すると、長すぎる。

この非対称が、味方がいないという感覚を作っていたのだと思います。

私の周りに人がいなかったわけではありません。むしろ、話せる相手は複数いました。それでも、しんどさの中身を丸ごと預けられる相手は一人もいませんでした。

人に囲まれていても孤立が成立するのは、こういう理由だと思っています。

同じ職場にいても受け取っているものが違う、という話は真面目な人ほど職場で消耗する理由にも書きました。

「相談する」が効かないとき、私がやっていたこと

対処法として最初に挙げられるのは、たいてい「相談する」です。上司や先輩に相談する。身近な人に相談する。

私はどちらもやって、どちらも効きませんでした。

上司に相談したときは、なぜか自分の側の問題ということになって終わりました。そのときのことは上司と合わないのが限界だと感じたときに書いています。

では何をしていたかというと、意識的な対処というより、勝手にそうなっていた、という感じのことばかりです。

圧をかけてくる相手の前では、固まる。

「この人とまともに関わるだけ損だ」と、どこかで判断して距離を置く。

言い返さない。とにかく穏便に済ませる方向に、思考が回る。

正直に言って、これは対処法として優秀ではありません。仕事の上では不利に働いた場面もあったと思います。

それでも、当時の私にできたのはこれくらいでした。

いま同じ状況にいる方に伝えたいのは、うまく対処できていないことを、さらに自分の落ち度として数えなくていい、ということです。

家に帰ってからも頭の中で会話が続いてしまう場合は、職場のストレスを家に持ち帰らないためにやっていることも参考になるかもしれません。

孤立感が消えたきっかけは、関係が改善したことではなかった

結論から書きます。

私の孤立感が薄れたきっかけは、人間関係が良くなったことではありませんでした。異動と、休職と、転職です。

つまり、原因から離れたことでした。

ぐるぐる考えてしまう性質そのものは、いまも変わっていません。人間関係を築くのがうまくなったわけでもありません。

変わったのは、環境との相性のほうでした。

これは、離れれば全部解決するという話ではありません。離れるまでには時間がかかりましたし、離れたあとにも別のしんどさがありました。

ただ、合わない場所で自分を作り変えようとしていた時期と比べると、消耗の量はまったく違いました。

環境を変えるという選択については適応障害で退職するのは逃げなのかに、理解してもらおうとすること自体をやめた話は職場の人間関係に疲れたとき、私がやめたこと3つに書きました。

まとめ:孤立しているように見えない孤立もある

職場の孤立には、目に見える孤立と、目に見えない孤立があると思っています。

後者は、周りからは見えません。だから本人も、これを孤立と呼んでいいのか分からなくなります。

話す相手はいる。仕事も回っている。それなのにしんどい。だとしたら、自分が弱いだけなんじゃないか。

私はずっと、そう思っていました。

でも、社交的に見える人ほど、内側の限界には気づかれにくいということもあります。そのあたりはHSS型HSEあるある5つに書きました。

しんどさが誰にも届いていないと感じているなら、それはもう十分に孤立だと思います。

誰かに分かってもらえるまで待たなくていいし、分かってもらえないことを、自分の説明が下手なせいにしなくていい。

伝わらないのには、構造の側に理由があります。

※繰り返しになりますが、この記事は私個人の体験に基づくものです。心身の不調が続いている場合は、早めに医療機関にご相談ください。職場でのハラスメントや労働条件に関する問題は、社内の相談窓口のほか、各都道府県の労働局や総合労働相談コーナーでも相談を受け付けています。


職場の人間関係のしんどさ、休職や転職への迷い、ぐるぐると止まらない思考。こういった悩みを、私はCoconalaでお聞きしています。

休職・転職を経験したHSS型HSEエッセイストとして、「うまくアドバイスする」のではなく「ちゃんと聴く」ことを大切にしています。テキスト相談・電話相談どちらでも対応しています。よければのぞいてみてください。

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