HSS型HSPに向いてる仕事は職種で決まらない|休職して経理職に落ち着いた私の話

HSS型HSEと生きること

HSS型HSPに向いてる仕事を調べると、だいたい同じ職種が並びます。企画職、クリエイティブ、コンサルタント、プロデューサー、起業家。そして決まって、こう書かれています。事務職やデータ入力のようなルーティンワークは、退屈だから向いていない、と。

私はいま、経理職として働いています。まさに、その向いていないとされる側の仕事です。そして残業はほぼゼロで、消耗しなくなりました。

刺激のある仕事で消耗して休職した私が、リストの真逆にある職種で回復した。この経験から言えるのは、向いてる仕事は職種名では決まらないということです。

先に、私の立ち位置を書いておきます

私はHSS型HSPではなく、外向型のHSS型HSEです。刺激に弱く消耗しやすい繊細さは持っていますが、人と関わること自体は好きなタイプです。

ただ、この記事で書く環境と消耗の関係は、HSS型HSPの方にもほぼそのまま当てはまると考えています。刺激を求めて動いてしまうのに、その刺激で削られる。この構造は共通しているからです。自分がどのタイプに近いか分からない方は、HSS型HSP診断テストで目安をつけてから読んでみてください。

職種リストが、しっくりこなかった理由

正直に書くと、私も以前は同じことを考えていました。刺激を求める性質があるのだから、変化のある仕事、裁量の大きい仕事、クリエイティブな仕事が向いているはずだ、と。

ところが、そう考えていた時期の私は、しっかり消耗していました。

気づいたのは、しんどさの原因が仕事の中身ではなく、その仕事が置かれている環境のほうにあったということです。同じ職種名でも、環境が違えば別物になります。職種で選んでいる限り、この一番大事な部分が抜け落ちてしまう。

私が消耗していた環境には、4つの共通点があった

休職したあと、それまでの職場を振り返って整理しました。削られていた環境には、いつも同じ特徴がありました。

  • 常に刺激が降り注ぐ(組織変更、人の入れ替わり、トラブルが日常茶飯事)
  • 役割や評価軸が曖昧(どこまでが自分の仕事なのか、何をもって良しとされるのかが分からない)
  • ペースの主導権が自分にない(優先順位が日々入れ替わり、常に人に合わせて動く)
  • 感情労働が多い(人の機嫌や空気を相手にする時間が長い)

この4つが揃っている場所では、職種が何であっても削られます。逆に言えば、この4つが揃っていなければ、リストで向いていないとされる仕事でも、案外やっていけるんです。

同じ環境で、調子を上げていく人がいる

ここは書いておきたい部分です。

私が消耗していたのと同じ環境で、むしろ生き生きしている人がいました。状況が二転三転する現場で、とりあえず判断して動き、その場が前に進む。そこに強い手応えを感じるタイプの人たちです。

成果が出る、手応えを感じる、さらに動ける。この循環が自然に回っていく。

同じ場面で、私は何をしていたか。関係者はどう感じただろうか、もっと良い判断ができたんじゃないか。そんな一人反省会が、家に帰ってからも続いていました。

刺激で疲れにくく、深読みせず、その場で切り替えられて、人の感情を自分の問題として抱え込まない。そういう人にとっては、あの環境は最高の舞台なんだと思います。

これは優劣の話ではありません。ただ、同じ環境で、同じように頑張る必要はなかった。それだけのことでした。

表面上は働けてしまうから、気づけない

この消耗の厄介なところは、進行中に自覚できないことです。

刺激があると、疲れていても一時的に動けてしまいます。周囲から見れば問題なく働いているように見えるし、自分でも異変に気づきにくい。

そして最終的に向かう先が、自己否定です。こんなに疲れるのは自分が弱いからだ、まだ努力が足りないからだ、と。私は何年もそう思っていました。

消耗に気づけない仕組みについては、HSS型HSPがキャパオーバーする本当の理由で詳しく書いています。

向いているかどうかは、この5つで見る

職種名ではなく、環境の条件で見ると、判断がぶれなくなります。私が基準にしているのは次の5つです。

  • 刺激がゼロではないが、常時フルではない
  • 刺激の強さや量を、自分で選べる
  • 役割や評価軸が、比較的はっきりしている
  • 一人で落ち着いて考える時間が取れる
  • 感情を相手にする量を、自分で調整できる

気をつけたいのは、刺激をゼロにしないことです。刺激を完全に断つと、今度は退屈で苦しくなります。求めているのは無刺激ではなく、刺激の量を自分でコントロールできる状態です。

私は、向いていないとされる経理職で回復した

ここで冒頭の話に戻ります。

いまの私の仕事は経理です。ルーティンが多く、数字を扱い、リストでは真っ先に向いていないとされる職種です。それでも、5つの条件に照らすとこうなります。

  • 刺激は少ないが、締め切りや繁忙期があってゼロではない
  • 残業がほぼないので、自分のペースを守れる
  • 数字には正解があり、役割の範囲もはっきりしている
  • 集中して一人で処理する時間が取れる
  • 感情を相手にする場面が少ない

職種名で見れば不正解。環境の条件で見れば、ほぼ満点でした。

この経験から確信したのは、職種は環境の一部でしかないということです。どんな職種であっても、その職場が4つの消耗条件を持っていれば削られますし、5つの条件を満たしていればやっていけます。

刺激は、仕事の外に置いてもいい

ここが、私にとって一番大きな発想の転換でした。

HSS型の性質を持つ人は、刺激を求めます。だから、その刺激を仕事で満たそうとするんです。私もそうでした。変化のある仕事、挑戦できる仕事を選べば満たされるはずだ、と。

でもこれをやると、アクセル役を職場に預けることになります。職場は、こちらの体調に合わせてアクセルを緩めてはくれません。刺激は勝手に降ってきて、量も強さも選べない。その結果、繊細さのほうが先に潰れます。

だから私は、仕事から刺激を抜きました。そのかわり、刺激は仕事の外で自分から取りに行くことにしたんです。

いまは文章を書いて発信し、本を出し、相談を受けています。どれも新しいことばかりで、好奇心はしっかり満たされます。そして何より、いつ、どれだけやるかを自分で決められる。疲れていれば止められる。これが決定的に違いました。

刺激そのものが敵だったのではありません。自分で量を選べない刺激が敵だった。それだけのことでした。

環境を変えることは、逃げではない

もし今、こんな感覚があるなら。

  • 頑張れてはいるけれど、ずっとしんどい
  • 周囲は平気そうなのに、自分だけ消耗している
  • 自分を変え続けることに、限界を感じている

それは能力や意欲の問題ではなく、環境との相性の問題かもしれません。向いていない環境で無理を続けると、ただ削られていきます。

環境を選ぶことは、甘えでも逃げでもないと思っています。自分の生まれ持った性質に、誠実に向き合った結果の選択です。これは、過去の自分に向けて言いたかった言葉でもあります。

環境の条件については、向いている仕事・向いていない仕事は職種より環境で決まるにもまとめています。働き方そのものを考え直したい方は、HSS型HSEが仕事で消耗しやすい理由もどうぞ。

ひとりで抱えているなら、話してみませんか

向いている仕事が分からないという悩みは、たいてい、自分が何に消耗しているのか分からないという悩みとセットになっています。私も、休職するまで言葉にできませんでした。

ココナラで、働き方や職場のしんどさについての相談を受けています。答えを出すというより、まず整理してみる場所として使っていただければと思います。

ココナラのページを見てみる

もう少し自分のペースで理解を深めたい、という方には、私がこれまでの経験をまとめた本もあります。

「繊細さんじゃないはずなのに」なぜか生きづらい人へ(Kindle)
それ、HSPじゃなくてHSS型HSEかも。好奇心の強さと刺激への弱さの矛盾した感覚には、ちゃんと理由があった

※HSP・HSS型HSP・HSS型HSEは、いずれも医学的な診断名ではなく、気質を説明するための概念です。この記事は私個人の経験に基づくもので、医療的な助言や職業選択の推奨を目的としたものではありません。心身の不調が続く場合は、医療機関にご相談ください。

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